Leo+1(1998年、2003年再発)

レナード衛藤(太鼓)、梅津和時(サックス)、井野信義(ベース)、太田恵資、勝井祐二(バイオリン)、今堀恒雄(ギター)、山根麻衣&栄子(コーラス)

'92年に鼓童から独立して5年。ぼちぼち、名刺代わりとなるような1枚が必要になってきた。でも、日々のライブではあまり気にならなかったけれど、自分のCDはショップのどの棚に収まる!?自分が望む望まないは別として音楽のカテゴリーは!?そして、中身以上に客観性が問われるジャケット・デザインをどうする!?

ライブとは違う制約があるCD。ソリストとして初めての作品をどういうカタチで世に送り出すか。CD制作は鼓童時代から積極的に関わってやってきたけれど、それはそれ。ライブとは違うおつむで自分と向き合う日々だったように思う。

楽曲はライブで十分に演奏してきたものを中心に選曲。大胆かつシンプルなアレンジをしたものもあれば、濃密に仕上げたものもある。当時は、デジタル編集(Pro tools)の音質がまだまだだったので、従来通りにテープに録音して、編集もコツコツと辛抱強くやった。

今思えば、このアナログ体験があって良かったと思う。昨今のデジタルによる作業の効率化は素晴らしいけれど、あの空気感は大切な音の要素だったと思う。オールデジタルとなった今では、その作業ができないわけだし。

ジャケットは、写真家の内藤忠行氏に依頼。そのアートワークに絶大な信頼をおいていたのだけれど、厳選した2枚の写真のどちらをジャケットにするか最後の最後で意見が分かれた。内藤氏イチオシの写真は、私が発案の台(木の幹)にセットした大太鼓を前に私が立っているカラー写真。私は、これからソリストとして打ち出していきたい”しなやかさ”が表現されたモノクロ写真を推す。

結局、当時のレーベル(イーストワークス)の意見もあり、私の希望通りにジャケットは完成。'98年リリースのジャケットは、大太鼓の皮を背景にした美しい作品だったが、2003年再発盤"Leo+1"では、全体を月夜のようなアレンジにした。内藤氏が推していた写真は裏ジャケットにズンと納まる。いずれにせよ、内藤氏の写真とアートワークによって、作品の格が何段にも上がったことは確か。

ファースト・アルバムに掛けたあの思いと熱さ。作品を手にした時、2枚目からは絶対に味わうことができない感覚だと思った。

ネタばれ:
「この(かつぎ桶)写真ならば、ジャズやニューエイジのコーナーにも置けるけれども、大太鼓の方だと純邦楽のコーナーにしか置けないね。」ジャケットは、レーベル担当者のこの一言で決まった。

2010年1月

レナード衛藤