PRESENCE(2003年)

レナード衛藤(太鼓)、ザキールフセイン(タブラ)、アジャアディ(パーカッション)、スティーヴエトウ(重金属打楽器)、鬼怒無月(ギター・サウンドのみ)

実質的なデビューライブとなった93年のLeo Project@On Air East(現O-East)に始まり、ちょこちょこと撮りだめしてきた映像が10年分。そろそろカタチにしないともう一周しちゃうかと思って、DVD制作に入る。当時(2002年)は、ようやくビデオからDVDに市場が移行した頃。まだ、ショップの棚はビデオの方が多かったのを覚えている。

猛烈な速さでハードが開発されていた時だから、記録したビデオテープのフォーマットもバラバラ。新旧素材をどのように統一させるかなんて、ビデオ録画もまともにできない私には無理難題(爆)。とにかく、自分はコンテンツと構成に集中した。特に「今」のソロをどう撮るか。この種のもので陥りやすいのは、教則ビデオのようになってしまうこと。これだけは避けたかった。

撮影と編集をお願いした井出情児氏とは、その昔、鼓童の初映像作品を制作した時からのお付き合い。あの時も私が絵コンテを描いて、構成の相談をしたことをよく覚えている。そして、本作品においても、私達の世界観にズレはなかった。CD "Duets"を並行して制作していたこともあって、全編を通じてコミュニケーションがテーマとなっていた。

そのテーマを象徴する3つのセッション。まずは、ザキールフセイン。ジャケットも手掛けた内藤忠行氏の蓮の写真とシンクロするタブラは絶品!その静から動へと移りゆく様は、正にわびさびの世界。私なんかじゃ、一生掛かっても辿り着けそうにない(笑)パフォーマンスも最高だし、奇跡のテイクだと思っている。これは一生の宝。

そして、今は亡きアジャアディとのテイクも撮っておいて本当に良かったと思う。アジャのビートはアフリカの大地そのものだし、大太鼓の音もアフリカン・パワーを頂戴してパワフル。トーキング・ドラムとのテイクは、フェラクティ(今は亡きナイジェリアのミュージシャン)のシュライン(彼のライブハウス)をイメージ。つまり、アフリカのクラブみたいにちょっと猥雑な感じにしたかったので、明かりはコテコテに〜(笑)

振り幅が最も出ているのは、やはり兄・スティーヴとのセッションかも知れない。レンズの汚れも狙い通り(笑)、ニューヨークのソーホーのような空気が撮れた。まあ、ともにアメリカン・パスポートだし当たり前か(笑)。結局、過去の映像は散りばめる程度にしたけれども、バラエティに富んだ自分らしいプレゼンス(存在)を示せた作品に仕上がったと思っている。

今や映像はYouTubeで垂れ流しの時代。ガビガビの映像で「ああ、なんか見たことあるよ、それ。」で消化されてしまう。反面、家庭で3D映像も始まった。これからどんな映像作品を残していくかは、ハードの在り方で変わっていくだろう。もう少し撮りだめしながら、次のプレゼンスを考えてみたいと思う。

ホンネ:
当時は今みたいにPCで編集できなかったので、スタジオでの編集コストがもんのすっごく掛かった。曲ごとにヘアスタイルも変えてるし(爆)自主制作で良く頑張ったよ。

2010年3月

レナード衛藤